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2024年09月05日

物忘れが増える原因と日常でできる対策法とは

高齢になるほど衰えると言われている記憶力。「最近物覚えが悪くなったな」「久しぶりにあった人の名前がなかなか出てこない…」など、年齢とともに自分の記憶力に不安を覚えはじめたという方も多いのではないでしょうか。

2024年5月8日、厚生労働省研究班(代表者:二宮利治九州大教授)が示した調査結果では、2030年認知症患者数は推計523万人にのぼり、2022年度時点の443万人から8年間で約80万人増えると推計されています。 また、認知症予備軍とされる軽度認知症障害(MCI)の患者数は2030年には593万人と推計され、合わせて1,100万人を超す勢いと発表されました。

今回は加齢による物忘れの原因や認知症との見分け方とあわせて、記憶力を鍛えるために日常でできる対策法を紹介していきます。

「記憶」の仕組み

記憶には、「記銘」「保持」「想起」という3段階のプロセスがあります。

①記銘

何かを学習したり、体験して得た情報が、目などの感覚器官から「刺激」として脳に伝えられる。短期記憶として一時的に保管された記憶は、その後、反復度や重要度による取捨選択を経て、脳の記憶中枢である海馬に保管される。

②保持

記銘を経て脳に保管された情報を維持し続ける。

③想起

保持している情報を必要なタイミングで思い出す。特定の記憶を探し出すことから「検索」とも呼ばれる。

つまり、「覚える」だけでなく「思い出す」というのも記憶のとても大切な要素だと言えます。

物忘れ(認知機能低下)の原因

約束を忘れたり、人の名前を忘れたり、いわゆる「物忘れ(認知機能低下)」と呼ばれる症状には、さまざまな原因があると言われています。その代表的なものを見ていきましょう。

▶︎ 加齢

まず考えられる原因として、冒頭でも触れたように「加齢」が考えられます。
人間は年を重ねると、先ほど紹介した3段階のプロセスのうち、3つ目にあたる「想起(記憶の再生)」の能力が弱くなると言われています。帰宅した時にカギを置いた場所を忘れてしまう、テレビに出ている人の名前がパッと出てこないといった症状はこれに当たります。

記憶をつかさどる海馬は30歳前後から萎縮を始め、50代を過ぎるとさらに早いペースで萎縮が進んでいくことが分かっています。たとえ同じ年齢でも、日々の生活習慣によって海馬の萎縮ペースは変わるため、規則正しい生活を早いうちから意識しておくことが大切だと言えるでしょう。

▶︎ 過労や寝不足

生活習慣と密接に関連している認知機能ですが、特に睡眠は記憶にとってとても重要な役割を担っています。

浅い眠りであるレム睡眠には、新しく覚えたことを過去の記憶と関連付けたり、思い出しやすいように記憶に「索引」をつけたりといった脳の働きが見られると言われています。
一方、深い眠りであるノンレム睡眠には記憶を定着させる作用があり、2013年の研究では認知症の予防にもとても重要であることが指摘されています。

長時間労働による過労も脳の機能を低下させる一因といわれており、日々の生活と記憶力は切っても切れない関係であるといえるでしょう。

▶︎ 過度のストレス

日々のストレスも、記憶と密接な関係があります。

人間は過度のストレスを受けると「解離性健忘」や「一過性健忘」といった記憶障害を発症し、記憶の一部がなくなってしまうことがあります。
時間の経過によって記憶が戻る可能性もありますが、失う記憶の長さや思い出すまでの期間は人それぞれであり、生活にも大きな影響を及ぼす可能性が考えられます。

規則正しい生活を心がけると同時に、日常的にストレスを発散する習慣も身につけておくことをおすすめします。

認知症による物忘れと加齢による物忘れの違い

「物忘れ」は認知症の初期症状だと言われることもありますが、認知症による「物忘れ」と加齢による「物忘れ」には異なる性質があることが分かっています。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

加齢による物忘れ認知症による物忘れ
■体験したことの一部を忘れている
■ヒントがあると思い出せる
■日常生活に支障がない
■「物忘れをしている」という自覚がある
■体験したこと自体を忘れている
■ヒントがあっても思い出せない
■日常生活に支障が出ている
■「物忘れをしている」という自覚がない

この表を見ると、加齢を原因とした「物忘れ」は先ほど紹介した「想起」の機能低下によって引き起こされる症状である一方、認知症による「物忘れ」は記憶の初期段階である「記銘」の機能低下が影響していることが分かります。
「最近物忘れが増えた」と自分でも把握しているときは、ほとんどの場合、加齢による物忘れが原因だと考えてよいでしょう。

認知症と加齢、原因によってそれぞれ性質が異なる「物忘れ」ですが、そのカギを握っているのはどちらも「脳の血流」だと言われています。
何らかの原因で脳の血流が低下すると、海馬を含めた脳の重要な器官の働きが低下し、認知機能にまで影響が及びます。脳が正しく働くためには、「血流」を意識しながら日々の生活を整えていくことが大切なのです。

「記憶力」をキープ!日常でできる対処法

「記憶力」を維持するためには、規則正しい生活を心がけ、脳の血流をよくすることが必要です。ここからは、日常に取り入れやすい3つの対処法をご紹介します。

▶︎ 睡眠不足を改善する

まず1つめは「睡眠の改善」です。
夜にまとまった睡眠時間をとることはもちろん大切ですが、仕事や家事、育児などの状況によっては難しい場合もありますよね。
そんな時は、「昼寝」の習慣を取り入れるのがおすすめです。30分以内の昼寝を習慣としている人は、アルツハイマー型認知症になりにくいとも言われています。お昼休みなどの休憩時間に合わせて、ぜひ取り入れてみてくださいね。

▶︎ 精神的なストレスを減らす

2つめの対処法は「ストレスを減らすこと」です。
ストレスが溜まっていると血流を悪くすると言われるストレスホルモンが分泌され、認知症の発症リスクを高めるとも言われています。
趣味の時間を充実させたり、ヨガや瞑想を取り入れたり、日々のストレスから開放される時間を積極的に持つようにしてみてください。
どうしても時間が取れないときは、深呼吸をするだけでも大丈夫です。上手に気分転換するように意識していきましょう。

▶︎ 軽い運動を習慣に

3つめの対処法は、「日常的に軽い運動をすること」です。
アメリカ・テキサス大学の研究では、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動は、血流を促進し、記憶を改善することができるという報告もされています。
毎日続けるのが難しい場合は1週間単位で目標時間を決めるなど、工夫しながら習慣化していくことをおすすめします。 


脳の血流改善に「ブレインアシスト」

脳の血流改善には、大木製薬の「ブレインアシスト」もおすすめです。
「ブレインアシスト」には、加齢によって低下する脳の血流を改善する機能があると報告されている「イチョウ葉フラボノイド配糖体」「イチョウ葉テルペンラクトン」が含まれています。※1
さらに、近畿大学と共同研究・開発したMST(ゴマ抽出物・ウコン由来成分)やヒハツを独自にブレンドしており、毎日の生活に取り入れやすい商品になっています。

1日の摂取目安量は2粒。パッケージも2粒ずつ切り分けられるようになっているので、お出かけ時の持ち歩きにも便利に使えますよ。

まとめ

年を重ねると以前よりできないことが増え、落ち込むこともあるかもしれません。しかし最近の研究では、集中力など40代以降にピークを迎える能力が存在することも分かってきています。
これからの社会は人生100年時代とも言われています。健康な生活を心がけながら、上手に加齢と付き合っていきましょう。

※1 出典元:中野正剛ら 日本老年医学会誌,37(1).49-55.2000


<参考>
1)海馬とは?!記憶をつかさどる脳の海馬について徹底解説
| brainsuite – https://brainsuite.jp/articles-kaiba(参照2024-09-01)
2)運動は脳への血流を促進し記憶を改善 | LINK de DIET – https://www.nibiohn.go.jp/eiken/linkdediet/news/FMPro%3F-db=NEWS.fp5&-Format=detail.htm&kibanID=70767&-lay=lay&-Find.html(参照2024-09-01)
3)集中力は43歳! 人間の脳のピーク年齢は、能力ごとに違っていた | BUSINESS INSIDER – https://www.businessinsider.jp/post-100550 (参照2024-09-01)

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