日中、突然やってくる眠気。家事や育児をやらなければならないのに、ついウトウトしてしまった……。そんな経験はありませんか。また会議中や外出中など、眠くても起きていなければいけないシーンもありますよね。実は多くの日本の女性を悩ませている「日中の眠気」の原因を解説。すぐにできる対策もご紹介します。
世界一の寝不足⁉日本人女性の睡眠問題
「日本人は寝不足」と聞いて、自分に当てはまると思われた方もいらっしゃいますよね。さらに、女性は男性より睡眠時間が短く、日本人女性は「世界一の寝不足」だと言われているのをご存じでしょうか。私たちの睡眠について、詳しく見ていきましょう。
▶︎ 日本人は世界一睡眠時間が短い
経済協力開発機構(OECD)の2021年版の調査では、日本人の平均睡眠時間は7時間22分と調査対象となった33か国の中で最も短く、ワースト1位となりました。最も睡眠時間が長いのは南アフリカの9時間13分、33か国の平均睡眠時間は8時間28分でした。日本人の睡眠時間は、平均と比べても1時間以上短いことが分かります。
▶︎ 女性は男性より寝不足
睡眠時間を男女別でみると、男性より女性の方が寝不足の傾向にあります。2021年の厚生労働省「社会生活基本調査 生活時間及び生活行動に関する結果」によると、男性の平均睡眠時間が7.58時間であるのに対し、女性の平均睡眠時間は7.49時間でした。また40~50代女性の4割が、睡眠時間6時間未満だというデータもあります。
以上から、日本人女性は世界一睡眠時間が短いことが分かります。睡眠不足・寝不足が、私たちの日中の眠気の大きな要因であることは想像にたやすいでしょう。
▶︎ 睡眠の質の低さも日中の眠気の原因に
寝不足だけではなく「睡眠の質」も日中の眠気に影響します。眠りに適した睡眠環境を持てなかったり、規則的な生活を送れなかったりすると、睡眠の質が低下して日中の眠気につながります。
女性の眠りには、ホルモンバランスやライフイベントなども関わっています。日本人女性の睡眠が不足する、睡眠の質が低下する理由を、次章で詳しく解説します。
日本人女性の睡眠が不足する・睡眠の質が低下する理由
日本人女性の睡眠不足や睡眠の質低下の原因には、次のようなものがあります。
▶︎ 睡眠環境や生活習慣
部屋の温度や湿度が高すぎたり、低すぎたりすると中途覚醒などが起こりやすくなります。明るすぎる部屋やにぎやかすぎる場所も睡眠には適しません。落ち着いて眠れる環境を整えるようにしましょう。
不規則な生活も睡眠不足や質の低下を招きやすくなります。その他にも、飲酒喫煙の習慣、運動不足が悪影響を及ぼすとされています。
▶︎ ホルモンバランス(月経周期)
女性特有の睡眠不足を招く理由のひとつとして、月経周期とホルモンバランスの関係が挙げられます。
女性ホルモンであるプロエストロゲンが多く分泌される排卵後から月経前の期間を「高温期」と呼びます。高温期では、プロエストロゲンの分解の過程で眠気を引き起こす物質が発生するため、眠気を感じやすくなります。
また、高温期は一日を通して高い体温が続きます。通常、人の体温は夜に下がって眠たくなる仕組みになっていますが、高温期では夜になっても体温が下がらず、入眠を妨げる原因にもつながります。
▶︎ ライフイベント
女性の睡眠には、結婚・妊娠・出産・育児といったライフイベントも大きく関わってきます。乳幼児期は、昼夜問わず子どもの世話をしなければならず、夜にまとまった睡眠時間を確保するのが難しくなります。子どもが大きくなってからも、女性は家族中心の生活を送ることが多く、理想的な睡眠がとれない人も少なくありません。
また現在の日本では、多くの女性が結婚後も仕事を続けるようになりました。家事育児の大部分を担いながら働く女性は、忙しさから十分な睡眠時間を確保しにくい環境にあると言えるでしょう。
▶︎ 更年期以降、老年期に起こる睡眠障害
45歳から55歳ごろの「更年期」になると、女性ホルモンの揺らぎや減少により、ホットフラッシュ(のぼせ)や不安感などの更年期症状が現れる人が多くなります。夜間に起こるホットフラッシュや不安感が、睡眠の妨げとなる場合もあります。
さらに高齢になると、眠り自体が浅くなり、中途覚醒が増えます。認知症などの疾患が睡眠障害の原因となることもあり、更年期以降も女性の生活と睡眠不足は切り離せない関係なのです。
簡単にできる眠気対策
日中に眠気を起こさないためには、夜間にしっかりと眠るのが理想ですが、子育てや仕事で難しいこともありますよね。日中眠気を感じたときにすぐにできる、簡単な眠気対策をご紹介します。
▶︎ 15~30分ほどの短い昼寝をする
日中の眠気が強いときには、15~30分ほどの昼寝をするのがおすすめです。短い昼寝は眠気が冷めるだけではなく、集中力の向上、ストレス軽減、記憶力向上、作業効率アップなどの効果も期待できます。ただし「寝すぎ」には注意が必要です。30分以上眠ると、深い睡眠であるノンレム睡眠に入り、起きたときに頭が「ぼーっ」としたり、夜寝付けなくなったりする可能性が高まります。
▶︎ 体を動かす
仮眠とは反対に体を動かすのも、眠気対策として有効です。眠たいときは副交感神経が優位になっているため、体を動かして交感神経を優位にさせることで、眠気を覚ますことが可能です。
家の中でストレッチを行うだけでも血流が良くなり、体が活動モードに入ってくれます。両手を上で組んで大きく伸びる、背中で手を組んで体をそらすといった簡単な動きでOK。座ったまま手首や足首を回すだけでもいいでしょう。
▶︎ ツボを押す
眠気を感じたら、顔や手のツボを指圧してみるのもいいでしょう。簡単に押せるツボをご紹介します。
・ 晴明(せいめい):左右の目頭の上、鼻寄りのところにあるくぼみ部分です。両手の親指で、優しく引っ張るように刺激しましょう。
・ 合谷(ごうこく):手の甲の、親指と人差し指の骨が交差する手前にあるくぼみです。反対の手の親指と人差し指で支えて、親指で気持ち良いと感じる強さで押しましょう。
・ 労宮(ろうきゅう):手のひらの中央辺りにあるツボです。手を握ったときに、中指と薬指の先があたる部分を、反対の手の親指で押します。
▶︎ 冷たいものを当てる・顔を洗う
冷たいものを肌に当てるのも、即効性のある眠気対策です。朝、冷たい水で顔を洗うと、頭や体がシャキッとしますよね。同じように日中の眠気にも、水での洗顔は有効です。また、冷却シートや冷たい飲み物の入ったペットボトルなどを体に当てるのもいいでしょう。冷たさが刺激となり、交感神経に作用して目が覚めます。
▶︎ カフェインの摂取
眠気対策として、カフェインの摂取も有効です。カフェインはコーヒー豆や茶葉などに含まれる成分で、摂取すると中枢神経に刺激が伝わって、疲労感が和らいだり眠気が覚めたりします。
カフェインを含んだ代表的な飲み物は、コーヒーや紅茶、緑茶です。エナジードリンクや栄養ドリンクに含まれていることもあります。
カフェインの作用には個人差がありますが、血中濃度は30~120分で最大になります。眠気を感じる時間から逆算して、カフェインを摂取するのもいいでしょう。
日中の眠気に対応可能!カフェイン含有の医薬品
日中の眠気には、医薬品で対応することもできます。
▶︎ 忙しい女性でも飲みやすい日野薬品工業「アオーク(AWOUK)」
日野薬品工業「アオーク(AWOUK)」は、眠気や倦怠感を感じるときに服用できる、ドリンクタイプの医薬品。1本にカフェイン200㎎、タウリン1,000㎎を含みます。バッグに入れやすい50mlのミニサイズになっており、カフェモカ風味で飲みやすく、忙しい女性にも嬉しい商品です。
まとめ
ホルモンの影響や、家庭と仕事の忙しさから、睡眠不足や睡眠の質の低下を招きやすい日本人女性。睡眠や生活のリズムを整えながら、日中の眠気には簡単な眠気対策やカフェイン含有の医薬品を取り入れて、毎日をより健やかに過ごしましょう。