醤油は、日本の食卓に欠かせない調味料ですが、実は家庭でも簡単に作ることができます。発酵の時間をじっくり楽しみながら、親子で醤油を「育てる」経験をすることで、少しだけスローライフを味わってみませんか?今回は、親子でできる醤油づくりの魅力と、自宅で挑戦できる簡単な方法をご紹介します。
目次
なぜ醤油づくりがスローライフ体験にオススメなの?

スローライフとは、「時間を大切にし、自然の流れに沿って暮らすこと」。そんな暮らしを実現するのに、手作り醤油はピッタリの活動です。
✔ 発酵の時間をじっくり楽しめる
醤油は、もろみ(醤油の元となる発酵食品)を半年から1年かけてじっくり熟成させます。この期間中には、もろみを混ぜたり、味の変化を観察したりと、親子で一緒に育てる感覚を味わえます。
✔ 食品に対する理解が深まる
スーパーで買ってきた醤油を当たり前のように使っていませんか? 実際に自分で作ることで、「醤油はどうやってできるの?」「発酵って何?」といった学びのきっかけにもなります。
✔ 親子のコミュニケーションが増える
一緒に仕込んで、一緒に育てる。手作り醤油は、日常の中で親子の会話を増やしてくれるツールにもなります。
自宅で簡単!親子でできる醤油づくり

「醤油って難しそう……」「特別な道具がいるのでは?」と思うかもしれません。確かに、昔ながらの正しい製法で作るとちょっと大変。醤油づくりに必要な醤油こうじを作るだけでも3~4日ほどかかります。
でも、市販の醤油づくりキットなら、とても簡単。100均でそろう道具と少しのスペースがあれば、誰でもチャレンジできます。我が家も今回、市販されている醤油づくりキットのお世話になりました。
【用意するもの(醤油800ml分)】
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- ● 醤油麹…700g
- ● 塩…220g
- ● 水…1リットル
- ● コーヒー用のフィルター(布か紙)
- ● 容量が2リットルある口の広いビン(100均でOK)
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【作り方】
ここで紹介するのは、基本的な作り方です。市販されているキットによっては、多少作り方が異なるかもしれません。その場合は、醤油づくりキットに入っている説明書の通りに作ってくださいね。
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- ①醤油麹をほぐしながら、口の広いビンの中に入れる。
- ②①のビンに塩と水を入れる。
- ③ビンにフタをし、よく振って混ぜる。
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※しっかり混ぜることで、不要な微生物が死滅するそうです。しっかり混ぜないと腐敗しやすくなるため、麹全体が塩水につかるようにしっかり混ぜましょう。麹の塊がある場合には、塊をしっかりほぐしてください。
④③から1週間は、毎日混ぜます。ビンの場合はフタをあけてヘラか菜箸で空気を送り込むように混ぜてください。保管期間中、フタの密閉は厳禁。発酵中にガスが発生し、ビンやフタが壊れる可能性があるためです。
⑤③から1週間後~1ヶ月は2日に1回混ぜればOKです。混ぜ方は⑤と同じです。この期間も、フタはゆるめに。
⑥③から2ヶ月目以降は、3日に1回。3ヶ月目以降は1週間に2回程度混ぜればOKです。3ヶ月目以降は、表面に白っぽいカビのような見た目の酵母が浮いてきます。放置すると、醤油に必要な微生物が死んでしまうため、ヘラでしっかり混ぜこんでください。
⑦1年たったら、絞りましょう。絞る場合は、布のコーヒーフィルターがオススメです。紙のコーヒーフィルターを使う場合は、絞るのではなくろ過してください。
醤油を作る過程でできる「もろみ」は、きゅうりをつけて食べたり、唐揚げの下味に使ったりと、お料理で大活躍。余った分は、密閉容器などに入れて冷蔵庫で保管してくださいね。
親子で楽しむ醤油づくりのポイント

✔ 「育てる」感覚を大切にする
毎日少しずつ変化するもろみを観察し、「今日はどんな匂い?」「色が変わったね!」と親子で話しながら楽しみましょう。
✔ 「なぜ?」を大切にする
「なぜ醤油は茶色いの?」「なぜ発酵すると味が変わるの?」など、子どもの疑問を一緒に考えることで、食育にもつながります。
✔ できた醤油を使って一緒に料理する
手作りの醤油は、市販のものよりも香りが豊かで、まろやかな味わい。卵かけご飯や煮物など、シンプルな料理に使うと、その違いがよくわかります。
手作り醤油で、親子のスローライフを楽しもう
醤油づくりは、時間をかけてゆっくり育てるスローライフにぴったり。日々の忙しさから少し離れ、親子で「食を育てる」時間を作ることで、心がほっと落ち着くひとときが生まれます。
お子さんと一緒に、のんびりと醤油を育てることで、「待つことの楽しさ」や「食べることの大切さ」を感じてもらえるはず。ぜひ、親子で醤油づくりにチャレンジしてみませんか?