「プラセンタ」という言葉──、最近、雑誌やテレビなどで目・耳にする機会が増えていませんか? でも、「プラセンタって何?」という質問に正しく答えられる方は、まだまだ少ないようです。
実際に、20~30代の子育て中のお母さん(以下ママさん)たちに聞いてみたところ、
■名前は聞いたことがあるけれど、使ったことはないです。
■名前は知っています! ……でも、何でしたっけ? コラーゲンみたいなもの?
■胎盤に関係した何か、でしたよね?
■化粧品会社のカウンターにプラセンタ商品が並んでいたから、美容液なのでは?
といった答えが返ってきました。この答えからもわかる通り、ママさんたちにとって「プラセンタ」は、まだまだなじみが薄いもののようです。でも実は、「プラセンタ」は家事や育児に忙しいママさんたちにこそ知ってほしい、あるいは、使ってほしい美容&健康アイテムなのです。
「プラセンタ」をわかりやすく解説すると……
最初に「プラセンタ」は、「胎盤」という意味の英語(Placenta)であることを理解しないといけません。
妊娠時に胎児とともに受精卵から作られる胎盤には、アミノ酸、たんぱく質、脂質、糖質などの栄養素に加え、ビタミン、ミネラル、核酸、酵素などの生理活性成分の他、胎児の成長に必要な栄養素が豊富に含まれています。
出産後、人間以外の哺乳類は不要になった胎盤を食べますが、それは出産で消耗した体力をスムーズに回復するため。胎盤の栄養分にはさまざまな効果・効能が期待できるのです。
つまり、哺乳類の胎盤から栄養成分を抽出したもの、それが「プラセンタ」なのです。
20歳を過ぎると激減!する「成長因子」
“カラダによい”または“美容によい”と言われる食品や栄養成分はたくさんありますが、プラセンタがそれらと一線を画す点は「成長因子」を含んでいる点にあります。
あまり聞き慣れない「成長因子」という言葉ですが、この因子には細胞分裂を活発にする働きがあり、細胞の新陳代謝促進、基礎代謝UP、アンチエイジングなどに効果が期待できるといわれています。
また、「成長因子」はヒトの体内で作られるものですが、生成量は10歳をピークに減少し始め、20歳を過ぎると激減します。さらに30歳を過ぎると、活性酸素から受けるDNAダメージが深刻になり、「成長因子」は作られにくくなってしまいます。結果、肌のくすみやシミ、髪のボリュームダウンなどの老化現象が現れるのです。こうしたことからも、加齢、老いにプラセンタが大きく影響を及ぼしていることがわかります。
ちなみに、「プラセンタ」をうたう商品群の中には、動物性ではない(哺乳類の胎盤由来ではない)ものもあります。これらは「植物性プラセンタ」「海洋性プラセンタ」などと呼ばれていますが、哺乳類の胎盤を原料としていないので、全く関係のない別のものです。
プラセンタの具体的な効果とは?
「プラセンタ」自体は慢性肝疾患や更年期障害、乳汁分泌不全の治療に用いられ、すでに50年以上前から医療機関で扱われてきた実績があるものなのですが、では、「プラセンタ」を摂取すると、何がどうよいのでしょうか。
昨今のアンチエイジングブームもあり、女性誌やTVCMなどで美容効果について取り上げられることが多い「プラセンタ」ですが、実際には、下記のようなさまざまな効果・効能について研究されています。
■自律神経やホルモンバランスを整える
■アレルギー症状や炎症を抑える
■肝臓の働きをよくする
■活性酸素を取り除き、肌のターンオーバーを促す
■細胞などの組織を修復する
実際に医療機関や美容機関でも処方されていますし、サプリメントやドリンクなど気軽に摂取できる商品としても市販されています。
過ぎたるは、及ばざるがごとし
さまざまな効果・効能が期待できるプラセンタですが、気をつけたい点もあります。
医師の指導のもとで摂取するのなら問題ありませんが、そうでない場合はアレルギーなどの副作用が起こる可能性も考えられますので、十分な注意が必要です。さらに、大量に摂取したからといって、そのぶん効果が現れるものではありません。「過ぎたるは、なお及ばざるがごとし」という論語の教え通り「程度を超えた物事のゆきすぎは、不足状態と同じようによくないこと」を肝に命じて摂取するようにしてくださいね。
── 最後に、プラセンタを試したママさんたちから、以下のような不安の声も聞かれました。
■美容のために使いたいけれど、高価なイメージがありなかなか手が出ない
■ドリンクタイプのものは味が気になるし、たくさんあって選びにくい
■健康食品は長続きしない気がして……
とはいえ、手軽に効果的に利用できる美容・健康アイテムなら、ぜひ忙しい日常に取り入れて、“美”をキープしたいですよね。
今回ご紹介したプラセンタ商品の種類や、摂取法などに気をつけて、引き続き話題の「プラセンタ」に、ぜひ注目してみてくださいね!