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2024年06月10日

手作りカレーやお弁当にも要注意!食中毒の原因と予防法

腹痛や嘔吐といった症状を引き起こす食中毒。食中毒は1年を通して発生しており、その原因はさまざまですが、梅雨や夏場に起こりやすいもの、冬場に起こりやすいものがあります。食中毒の原因や予防法、家庭でできる対策などをまとめました。

食中毒とは

食中毒とは、食中毒の原因となる細菌やウイルス、有毒な物質がついた食品を食べることで起こる、健康被害のことです。

代表的な症状は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱です。原因となった物質や個人の年齢、体質、体調などにより程度はさまざまですが、重症になると意識障害や呼吸困難、最悪の場合には死に至るケースもあります。

食中毒の原因

食中毒の原因には、下の5つがあります。

 □ 細菌:O-157、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌、サルモネラ属菌、ウエルシュ菌など

 □ ウイルス:ノロウイルス、ロタウイルスなど

 □ 自然毒:フグやきのこなど

 □ 寄生虫:アニサキスなど

 □ 化学物質:ヒスタミンなど

5つの中でも、食中毒の主な原因となっているのが「細菌」と「ウイルス」です。

▶︎ 梅雨から夏は「細菌性食中毒」が増加する

高温多湿になる梅雨から夏の時期には、細菌性の食中毒が増えます。これは食中毒の原因となる細菌の多くが室温(約20度)で増え始め、人の体温くらいの温度で最も増殖スピードが速くなるからです。また、多くの細菌は湿気を好むので、高温多湿な日本の梅雨から夏の時期は、食中毒の原因となる細菌がさらに増えやすくなります。食中毒を引き起こす細菌には、肉類などに付着する「カンピロバクター」や「O-157」、煮込み料理で増えやすい「ウエルシュ菌」、人の手指や肌に存在する「黄色ブドウ球菌」などがあります。

▶︎ 冬は「ウイルス性食中毒」が増加する

冬の寒い時期になると、低温で乾燥した環境で長く生きるウイルスによる「ウイルス性食中毒」が増えます。ウイルスは細菌のように食べ物の中で増殖することはありません。ウイルス性の食中毒はウイルスが付着した食べ物を食べ、人の体の中でウイルスが増殖することで起こります。食中毒を引き起こすウイルスとしては、ノロウイルスが代表的です。

食中毒予防の3原則「つけない・増やさない・やっつける」

細菌やウイルスによる食中毒を引き起こさないためには、食中毒予防の3原則である「つけない・増やさない・やっつける」のが大切です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

▶︎ 「つけない」

ひとつ目の原則は、細菌やウイルスを「つけない」ことです。その最も基本的な行為が「手洗い」。帰宅後、調理前、食事前、トイレの後など、こまめに石鹸を使って手を洗いましょう。十分な手洗いは食中毒だけではなく、風邪やインフルエンザなどの病気の予防にもなります。

また、肉類から出るドリップには食中毒の原因となる菌やウイルスが含まれています。他の食べ物につかないように、ビニール袋で包むなどして保存しましょう。調理の際は、肉類の水洗いはしないこと。水道で洗うと細菌などがシンクに飛び散り、調理器具や他の食材についてしまう危険性があります。

▶︎ 「増やさない」

ふたつ目が、食中毒の原因を「増やさない」です。生ものや料理は早く食べる、常温保存は避けて冷蔵庫や冷凍庫で保存する、などが挙げられます。手作りの食事だけではなく、テイクアウトした食べ物でも同様の注意が必要です。

冷蔵庫に食材を詰めすぎるのも避けましょう。庫内の温度が上がって、菌が増殖しやすくなります。冷蔵庫に入れる食品は7割程度に留め、全体に冷気が行き渡る状態を保つのが理想的です。

▶︎ 「やっつける」

最後の原則は細菌やウイルスを「やっつける」です。多くの細菌やウイルスは熱に弱い性質を持つので、調理の際にしっかりと食材の中心まで熱を通しましょう。まな板や包丁など調理器具は、熱湯や塩素系漂白剤での消毒が有効です。

また、使い終わった食器や調理器具をキッチンに放置すると、菌が繁殖したりウイルスが広がったりしやすくなります。生ごみの処理も含め、キッチンを使ったら早く片づけて清潔な状態を保ちましょう。

家庭料理やお弁当も要注意!家庭でできる予防策

家庭で作る料理やお弁当が食中毒を引き起こすことがあります。それらを防ぐために、どのようなことに注意すればいいでしょうか。

▶︎ 大鍋で作るカレーは要注意

家庭料理の中でも、カレーは食中毒が起こりやすい料理です。大きなお鍋で一度にたくさん作るカレーは冷めるのに時間がかかり、食中毒の原因となる「ウエルシュ菌」の増殖に適した温度が長く続きます。ウエルシュ菌は熱に強く、カレーが冷める過程で一度増えてしまうと、再加熱しても完全にはなくなりません。

大鍋で作りたくなるカレーですが、一度にたくさん作り過ぎない、早く食べる、小分けにして冷蔵庫で保存する、冷蔵保存したものを食べるときは十分に再加熱するなどの工夫をしましょう。カレー以外にもシチュー、肉じゃがなどでも同様の注意が必要です。

▶︎ 生焼けのハンバーグやから揚げは危険!肉類は十分に加熱する

生や加熱不足の肉類も、食中毒を起こしやすい食べ物です。肉料理は中までしっかりと加熱しましょう。特に様々な部位を集めたひき肉には、食中毒の原因となる細菌が多く存在します。十分に加熱すれば細菌は死滅するので、ハンバーグやつくねなどは必ず中心部まで火を通してください。

近年は生やレア状態の鶏肉による食中毒も増えています。肉類の加熱は中心温度75度、1分以上が目安です。唐揚げや焼き鳥なども生焼けにならないように気をつけましょう。

▶︎ お弁当で食中毒を起こさないために気をつけることは?

お弁当で起こる食中毒にも注意しましょう。黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などは20~37度で繁殖しやすく、気温や湿度の高い季節のお弁当では、特に注意が必要です。

黄色ブドウ球菌は手や指、肌などに存在します。おにぎりやサンドイッチは素手ではなく、ラップや調理用手袋を使用するといいでしょう。

他にも、おかずはしっかり冷ましてから入れる、水分の多いおかずや生野菜は避ける、食材は十分に加熱する、保冷剤を一緒に入れるなど、細菌を増やさない工夫をしましょう。

▶︎ 冬場はノロウイルスによる食中毒に注意!

11月~2月頃の冬場に多いのが、ノロウイルスが原因の食中毒です。原因となる食べ物には牡蠣などの二枚貝があります。ノロウイルスは非常に感染力が強く、ノロウイルスにかかった人の吐しゃ物や便を通して他の人に感染します。また飛沫感染や空気感染も起こります。

ノロウイルスにアルコール消毒は効果がありません。しっかりと石鹸で手を洗うことがノロウイルスによる食中毒予防の第一歩です。また、ノロウイルスは85~90度、90秒以上で死滅すると言われています。食材にはしっかりと火を通すことを意識しておきましょう。

まとめ:

この記事では食中毒についてまとめました。抵抗力の弱いお子さんやお年寄りは食中毒にかかりやすく、重症化のリスクも高くなります。家族が健康に過ごせるように、3原則である「つけない・増やさない・やっつける」を基本に対策をして、食中毒を予防しましょう。

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