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冬の食中毒の代表格「ノロウイルス」
一般的に食中毒は冬には起こりにくいと言われてきましたが、ここ数年冬に度々ノロウイルスやO157による集団食中毒のニュースを耳にするようになりました。
実は、
年間の食中毒患者数の約半分はノロウイルスによるもの
。
感染力が強いノロウイルスは大規模な食中毒など集団感染を起こしやすく、被害が大きいのです
。
そして、そのうち約7割が11~2月に発生しています。
保育園、幼稚園、学校……集団生活を送る子どもたちにとって、感染力の強いノロウイルスは脅威です。
お母さん(以下 ママさん)たちも、ノロウイルスを始めとした食中毒は今とても気になるのではないでしょうか?
もし、ノロウイルスに感染したら……
ノロウイルスが引き起こすのは、
おう吐、下痢、腹痛、微熱
などの症状です。
感染後24~48時間で発症し、多くの場合は1~2日後に治まります。
健康で体力があれば感染しても軽い風邪症状で治まることや、これといった症状が起きないこともあります。
だからこそ人から人へ感染しやすく、
子どもなら重篤化することもある危険なウイルス
なのです。
厄介なことにノロウイルスにはワクチンがなく、治療は対症療法に限られます。
体力のない乳幼児は脱水症状を起こすこともあるので、水分と栄養の補給をマメに行います。
脱水症状が重ければ病院での治療も必要です。
感染が疑われる場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。
保育園、幼稚園、学校などで発生したときは感染の拡大を防ぐことも重要ですので、速やかに最寄りの保健所に連絡するようにしましょう。
家庭を守るママさんは、食中毒から子どもを守るために家庭でできる予防対策を徹底したいですよね。
※参考/首相官邸HP「ノロウイルス(感染性胃腸炎・食中毒)対策 ~冬は特にご注意を!」
今すぐ実践したい、食中毒予防テクニック
20~40代のママさんに、食中毒予防として日頃からどんな工夫をしていますか? と質問したところ……
●作り置きのカレーは1日1回火を入れて沸騰させるようにしている
●お弁当に入れる具は十分冷ましてから詰めるようにしている
●子どもが外から帰ってきたら手洗いとうがいをさせるようにしている
●生ものはなるべく食べさせないようにしている
●台所まわりはアルコール除菌スプレーをするように心がけている
このように、ママさんたちはいろいろと工夫されているようです。
いまや年間を通して気をつけるべき食中毒。予防のために意識して習慣づけたいポイントを6つにまとめました(表参照)。
では、6つのポイントをさらに詳しくみていきましょう。
① 食品は新鮮なものを
肉・魚・野菜などは新鮮なものを購入し、他の食品に水分がつかないよう個別包装するなどして速やかに持ち帰りましょう。
②家庭では適切な保存法を
食品は、帰宅後すぐに冷蔵庫・冷凍庫へ。冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫はマイナス15℃以下に維持し、食品が庫内の7<割を超えないようにしましょう。魚や肉は他の食品と触れない状態で保存します。 ③調理器具の洗浄・消毒を徹底する
包丁、まな板、食器、ふきん、たわし、スポンジなどは使用後すぐに洗剤で洗いましょう。熱湯消毒や煮沸消毒も効果的です。
包丁やまな板は、生肉や生魚を切った後は必ず洗浄し、そのまま他の食材を切らないようにしましょう。
④食品は十分加熱する
食中毒の原因菌やウイルスは85℃で90秒以上加熱すれば失活するといわれているので、加熱時に食品の中心部が85℃以上になるように気をつけましょう。細菌は室温で増殖するので、調理中や調理後も室温に放置せず、必要あれば冷蔵庫に入れましょう。※例えばO157は室温に20分置くと2倍に増えます。
⑤調理後の食品の温度管理にも注意
残った食品は容器に小分けして冷蔵庫や冷凍庫へ。食べる際はまた十分に加熱(75℃、1分以上)しましょう。
⑥とにかく手洗い
手洗いは食中毒予防の「きほん」の「き」。特に食事の前やトイレの後、また調理の前後は、石けんですみずみまでよく洗い、流水でしっかり流しましょう。
家族の誰かが食中毒に罹患した場合は二次感染の恐れもあります。特にノロウイルスが流行する冬は、感染者の便やおう吐物にノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつなどは気をつけて処理するようにしましょう。
※参考/厚生労働省「食中毒に関する情報」