女性特有のがん、といわれる「乳がん」。
20歳をすぎた女性なら、一度は耳にしたり、検診について話を聞いたりしたことがあるかと思います。
以前は40~50代の女性の発症率が高いといわれていましたが、『国立がん研究センター』の情報によると、昨今では若年層での発症も増えてきており、「まだ若いから・・・」では済まされない病気となりつつあります。
ママになられた方は、妊婦検診の際に「乳がん検診」を受けられたり、産婦人科の先生から毎月のセルフチェックの方法を教えてもらったりしたかと思います。
でも、産後は家事育児に追われ、なかなか自身のこととして捕らえにくい「乳がん」について考える時間をとることは難しく、産後検診やセルフチェックをできていないという方も多いのではないでしょうか。
実際に乳がんについてどんな意識をお持ちか、20代~40代のママさんに、アンケートを実施したところ、
Q.乳がんについて気になって調べたことはありますか?
という質問に対しては、ほぼ全員が「はい」と答えていました。
きっかけは、最近のニュースなどで有名人が発症したと見聞きしたり、親族が発症したために調べた、というものが多く、皆さん同じように感じられていました。
では、それに伴って、
Q.早期発見のために、何か行動されていますか?
という質問には、
■自治体から送られてくる無料検診に、行けるときに行こうと思っている
■時々、セルフで触診している
■いまは特になにもしていない
主にこのような回答でした。
セルフチェックをされている方はかなり高い意識をお持ちといえますが、「無料の検診のお知らせが届いたら、行けたら行こうかな」「いまは何もしていない」という方は、まだそこまで自分事として捉えられていないことが伺えます。
乳がんは、女性11人に1人の割合で発症するといわれる身近な病気となっており、女性なら誰しも人事ではありません。
「乳がん」は、発見が遅れれば、最悪“死”に至ることもある、恐ろしい病気です。
でも、“早期発見”で、95%「完治」できる病気でもあるのです。
乳がんの特徴と他のがんとの違い
先に乳がんは早期発見で95%完治できると書きましたが、他のがんと乳がんの大きな違いは、主に2つあります。
① 進行が比較的ゆっくりのため、治療開始後の五年生存率が高い
がんの進行度合いによって、ステージ1~4に段階が分けられていますが、乳がんの場合は、遠隔転移(肺、骨、肝臓、脳等への転移)に至っていないステージ3までの段階であれば、五年生存率は約80%とかなり高い確率となっています。
治療予後も比較的良好ながんとされているので、遠隔転移に至る前段階で発見することにより、適切な治療を経れば、5年、10年と長生きすることが可能です。
② 自分でがんを発見できる
大腸がんや胃がんなど内臓器のがんは、自身でがん細胞に触れることはまずないため、触診などで発見することは不可能です。しかし、甲状腺がんなどは比較的体の表面にあらわれやすいため、セルフチェックで異変を感知することができる数少ないがんです。
乳がんも、身体の表面に近いところにできるがんのため、セルフチェックを正しく行うことにより、「しこり」や「乳腺の腫れ」という形で現れるがん細胞に触れ、自分で気づくことができるのです。
必ずしもすべての乳がんが触診により発見できるわけではありませんが、実に乳がんの60%以上が、セルフチェックによって発見されているといわれています。
セルフチェックを行っていれば小さな変化にも自身で気がつくことができるようになるため、早期発見にもつながっています。
がん細胞が小さいうちに切除することができれば、乳房の温存も望め、完治できる確率を高められます。
ここまでで、できるだけ早い段階で乳がんを発見することが大事だということがお分かりいただけたと思います。
そして、乳がんは自身で発見することが可能であるため、セルフチェックが有効であることも、ご理解いただけたでしょうか。
セルフチェックの方法
女性の方には、ぜひ全員に「セルフチェック」の方法をご理解いただき、毎月実践していただきたいと思いますので、ここでその方法をお伝えします。
セルフチェックは、生理後の同じ時期に毎月行い、がんのない正常な状態を自身で把握しておくことが大切です。
排卵前後~生理中は胸が張っていて正常に判断できないため、生理が終わった後4日~1週間前後、閉経後の方は毎月自分で決めた日に行いましょう。
① 鏡の前にたち、裸で両腕を下げた状態で、乳房全体をみて、形や大きさに変化がないか、皮膚のへこみやひきつれがないか、乳首がへこんだりただれたりしていないか、観察する。
② 両腕を上げて頭の後ろに回し、①と同じことを観察する。(しこりがあると、その部分の皮膚がひきつれたり、へこんだり、ふくらみが現れたりすることがあります。)
③ 片方の腕を上げ、反対の手の3本指の腹を乳房に当てるようにして、わきの下から内側へむけて「の」の字を描くように乳房全体を触り、凹凸がないかを確かめる。反対側も同じように。
④ わきの下のリンパ節が腫れていないか確認する。
⑤ 乳頭を母乳を搾るように軽くつまみ、血の混じった分泌液が出ないかどうかを確認する。
以上がセルフチェックのおおまかな流れです。
上記③を実施するときに、力を入れて乳房を押してしまうと、乳腺を傷つけてしまうことがあります。
気になってつい力が入ってしまうことがあるかと思いますが、「普段と違うところがないかを確認する」ためのチェックですので、優しくゆっくり行ってください。
その際、皮膚の摩擦でうまく進まずに力が入ってしまうことがあるので、お風呂に入ったときにボディソープをつけたり、部屋ではボディミルクやオイルなどを塗って行うとスムーズです。
そのほか、自己検診補助具『ママリーチェッカー』という、専用器具を使用するのもおすすめです。
ママリーチェッカーは、肌にも環境にもやさしい薄い樹脂膜「EVA樹脂」を使用してつくられた、自己検診の際に手にはめて使用するグローブのようなものです。
手にはめた際の肌への密着性が高い構造と、乳房に触れる側のすべり効果、指先の感覚を高め、乳房への負担を軽減しながら効果的な触診が可能です。
ママさんたちに実際に使ってみてもらい、感想をいただきました!
■外装部分に説明が詳しく書いているので、初心者でもスムーズに使うことができました。
■専用器具を使うことで乳がんへの意識が高まり、継続的にセルフチェックを続けていこうと感じました。
※乳がん発見には、自己触診だけでなく、定期的な検査や定期健診(マンモグラフィ)を、必ずお受けください。ママリーチェッカーはあくまでも自己触診を補充する製品です。自己判断をせずに医師の診断をあおいでください。
さいごに
がんは恐ろしい病気です。
ですが早期に発見できれば、乳がんは治る可能性の高いがんです。
がんにならないための生活習慣の見直しなどを行うのももちろん大切ですが、日頃からのセルフチェックで、万が一の際に早期発見できるよう、ぜひ毎月の習慣にしていただければと思います。