目次
「子どもの歯のケア」どんなことに気をつけていますか?
20~40代のお母さん(以下ママさん)たちに話を聞いてみたところ、さまざまな意見がありました。
■きのこが歯によいと聞いて、積極的に食べさせている
■柔らかい食物ばかりだとあごが狭くなり歯の矯正が必要になるので、かたいものを意識して食べさせている
■小学6年生の子どもに、今でも仕上げ磨きをしている
■虫歯菌がうつることもあるので、人の箸は絶対に使わないよう言い聞かせている
■マヌカという植物の花から取れたハチミツ「マヌカハニー」が歯によいと聞いた
■口の中に長く残るおやつは虫歯になりやすいので、与えないようにしている
■おやつは「よく噛んで食べるもの」……例えばグミなどを選ぶようにしている
みなさんテレビ、雑誌や口コミなどで積極的に情報収集しながら、子どもの歯のケアに取り組まれているようですね。
子どもの歯が健康であり続けることは、すべてのママさんたちの願いです。しかし、中には間違った情報や思い込みで見当はずれなケアをしてしまっている方もいるかも!? そうならないために、子どもの歯のケアについて、あらためておさらいしていきましょう。
乳歯のうちから、しっかりケアを!
歯は未完成の状態で生えてきて、口の中で唾液からミネラルを摂り込みながらだんだん成熟していくことをご存じですか?そして、歯の表面が汚れていると十分なミネラルを摂り込めず、虫歯になりにくい丈夫な歯を作れないのです。
“
毎日の歯磨きが大切
”とはよく言われますが、小さな子どもをもつお母さんの中には「
うちの子はまだ乳歯だから
」と油断している方も……!?
実は、乳歯の健康状態が永久歯の未来を決めてしまうと言っても過言ではありません。
乳歯の奥で永久歯はすでにスタンバイしていて、乳歯の根を道しるべに永久歯が生えてくるのです。
乳歯のうちに虫歯になってしまうと、「
永久歯が虫歯の乳歯を“異物”と認識して他の場所に出てしまう
」「
虫歯で抜けた乳歯の周りの歯が傾いてしまう
」など、歯並びや噛み合わせに悪影響をおよぼしかねません。
また、20本の乳歯に対して永久歯は28本。乳歯のうちにあごの骨を十分に発育させ、永久歯をしっかり支えられる土台となるようにすることも重要です。
見落とされがちな「噛む」ことの重要性
虫歯予防のためには、乳歯のうちからしっかり歯磨きをすること、そしてあごの骨を十分に発育させることが大切です。「
食べる時は、よく噛む
」を子どもにしっかり習慣づけたいですね。
そして、これは意外に知られていないことですが、食事の時の姿勢……、特に足の状態が噛む力に大きな影響を与えています。
床に足がついていない状態で食事をすると、体に力が入らず噛む力も弱くなってしまう
のです。
厚い雑誌や台座を足元の床に置くなどして、足をブラブラさせないだけで、噛む力は20%もアップするそう。ぜひ試してみてくださいね!
何より、噛む意欲を育むことも忘れてはいけません。お腹が空いて食欲がわくと、噛む意欲が高まります。子どもには積極的に外遊びをさせ、体をめいっぱい動かすよう促しましょう。メリハリのある生活が、ひいては丈夫な歯を作ることになるのです。
歯に「よい食べ物」「悪い食べ物」
ママさんたちへのアンケートでは「
●●は歯によい
」「
△△は虫歯になる
」という意見が多く見られました。ひと昔前は「
甘いものを食べると虫歯になる
」とよく言われたものですが、今ではそれは大きな誤解だと知られています。歯磨きなどで口内の虫歯菌を退治しておけば、甘いものを食べても虫歯はできないのです。
── とはいえ、虫歯になりやすい食べ物と虫歯になりにくい食べ物があるのも事実。
ナッツやチーズは口の中を酸性にしにくいので、おやつに適していますし、甘くてもすぐに口の中からなくなってしまうゼリーもよいでしょう。また、噛みごたえがあり満足感を得やすい、するめや煮干し、フルーツなどもおススメです。反対に気をつけたいのは、口の中に留まりやすい甘いもの。
ふだんのおやつを見直して、健康な生活を送りながら、お子様の丈夫な歯を育んであげてくださいね。