「お子さんの話を上手に聞けていますか?」、そう問われるとドキッとしてしまいますよね。たくさん話を聞いてあげたくても、子どもの話が延々と終わらずに困ったり、なにを言いたいか分からなくてイライラしたりすることもあるでしょう。今回は、限られた時間の中でできる、上手に子どもの話を聞く方法をご紹介します。
相槌では「子どものことばを繰り返す」
子どもの話を上手に聞くコツのひとつめは、相槌の際に「子どもの言ったことを繰り返すこと」です。普段使っている「うんうん」「そうだね」といった相槌を、「子どもの言ったことの繰り返し」に意識的に変えてみましょう。
やり方はとても簡単です。子どもが「もっと遊びたい」と言ったら「もっと遊びたいね」、「〇〇君とケンカした…」と話し始めたら「〇〇君とケンカしたんだね」と繰り返すだけ。
相手の言ったことを繰り返す、これを「バックトラッキング」と言います。相槌を「バックトラッキング」に変えると、短い時間の会話でも、子どもは「お母さんはちゃんと話を聞いてくれる」という安心感を持てるようになります。
また、バックトラッキングで促されながら会話を進めるうちに、子ども自身の中で気持ちの整理がつき、自ら問題解決に向かっていくこともあります。
短時間の会話でも急がない!「話すペース」は子どもに合わせて
ふたつめのコツは、「話すペースを子どもに合わせる」です。忙しくて時間がないと、子どもに対する返事が早口になったり、早く結論を伝えようと急いだりしてしまうことがありませんか。
人は、話すペースが異なる相手との会話に、居心地の悪さを感じるものです。それは親子間でも同じ。一生懸命ことばを探しながら話しているときに、お母さんに早口で返されると、子どもはいい気持ちがしません。
時間的制限があっても、お子さんがのんびりと話し始めたなら、最初は返事のペースを子どもに合わせてあげてください。子どもはお母さんとの会話に心地よさを感じ、これからもたくさん話そうと思ってくれるはずです。最後まで聞けなかったときの「後で聞かせてね」という、こちらのお願いも受け入れてくれやすくなるでしょう。
反対に、子どもが興奮して早口になっているときは、はじめは親もスピードやトーンを上げるようにしてみてください。そこから徐々に話すペースを下げていくと、子どもは落ち着きを取り戻しやすくなります。
まるで面接?!まじめな話ほど「真正面」には座らないで!
座った状態で子どもと話をする場合、真正面に座るのはおすすめできません。面と向き合って人と話すシーンを思い出してみてください。恐らく面接かお説教か…そんな緊張感漂う場面が思い浮かびませんか。
まじめな話をするときは、まっすぐに目を見て話したくなるかもしれません。しかし子どもと真正面で向き合う座り方は、子どもに威圧感を与えて委縮させてしまう危険性があります。それでは子どもの本音はなかなか見えてこないので、なるべく正面に座るのは避けましょう。
理想的なのは、子どもに対して 「斜め45度の位置に座る」方法です。たとえば机のあるところで話をする場合、真正面に座るのではなく、机の角を挟んで左右どちらかに座るイメージです。
この位置に座ると、視線を合わせることも、逸らすことも自然にできます。お互いの姿を目に入れながら、目線に「逃げ場」が持てるため、リラックスして話に臨むことができます。
また、子どもが甘えたいときなどは「隣」に座ってあげると親密さが増します。しかし、心理的距離を感じているときに隣に座ると、「近すぎる」と警戒心を生むことがあるので注意しましょう。
まとめ
忙しいときや疲れているときに、子どもの話を聞き続けるのは疲れます。しかし、時間を短くしようと説き伏せてしまうと、反発を受けるか子どもを委縮させるかのどちらかに転んでしまい、お互いにさらなるストレスを感じてしまいます。
今回ご紹介したコツを取り入れて、お母さんのストレスを減らしながら子どもの話を聞き、子どもが持つ会話に対する満足度や親への信頼感を高めていきましょう。