
登校時間の直前になって起こる、子どもの行き渋り。
毎日のように「学校に行きたくない!」が続くと、お母さんも参ってしまいますよね。
この記事では、子どもの行き渋りが起こる原因や子どもの気持ち、行き渋りへの対応方法についてまとめました。
目次
行き渋りの原因

子どもの行き渋りが起こる原因はさまざまですが、大きな要素として環境の変化が挙げられます。
特に、幼稚園や保育園から小学校に上がったタイミングで、行き渋りを起こす子は意外と多くいます。
また、大型連休明けや夏休みなどの長期休み明けに、子どもの行き渋りが始まったり、激しくなったりするケースもあります。
子どもの行き渋りが起こった場合には、まずは大人が介入すべき大きなトラブルや、病気などが隠れていないかを確認しましょう。
それらの要因が見当たらず、主な原因が環境の変化であるようなら、少しおおらかな気持ちを持っていただいて大丈夫。
時間と共に快方に向かうケースが少なくないので、お子さんに寄り添いながら対応していきましょう。
行き渋る子どもの心の中で起こっていること

行き渋りをする子どもの心の中では、なにが起こっているのでしょうか。
実は、子どもは「行く、行かない」のふたつの気持ちの間で葛藤しています。
私たちが「行きたくない」と感じるのは、「行かなければいけない」ときですよね。
行き渋る子どもも同じです。
子どもなりに「学校には行く必要がある」と分かっているからこそ、「行きたくない」という気持ちが生まれるのです。
子どもは、単にわがままで「行きたくない」と言っているのではありません。
子どもの心には「行く、行かない」両方の選択肢が存在し、どうするべきか一生懸命迷っていることを忘れないであげてください。
そして、子どもの内面で起こる葛藤自体は成長に必要なものですから、完全に取り除こうとしなくて大丈夫です。
また、子どもが「行きたくない」と言えるのは、家が安全な居場所だからでもあります。
行き渋りは、慣れない場所、思い通りに振舞えない場所には行きたくない、安心できる自分の家にいたいという気持ちの表れです。
今の家庭が、子どもにとって安全な場所であること、その場所を作っているのがお母さん自身であることに、胸を張ってください。
行き渋り対応でやってはいけないこと

行き渋りに対して必要な対応や支援は、お子さんごとに異なります。
しかし、共通して次のような対応は避けたほうがいいと言えるでしょう。
▶︎ 無理に行かせようとする
ひとつめは、無理に学校に行かせようとすることです。
親が強引に行かせようとすると、子どもの中で「行きたくない」気持ちばかりが大きくなり、より強い行き渋りが起こる危険性があります。
また、行き渋りの理由をきつく問いただすことも避けたほうがいいでしょう。
学校に行きたくない理由が、自分でもはっきりと分からない子もいます。
「なんで?」「なにがいやなの?」と繰り返されると、子どもは責められているように感じ、どうしていいか分からなくなってしまいます。
それが続けば、子どもは「お母さんは自分の気持ちを分かってくれない」と悲しい気持ちになり、不信感を募らせかねません。
行き渋りが起こったら、無理に学校に行かせることはせず、子どもの行きたくない気持ちを受け止めて話を聞いてあげてください。
そして、より子どもが家で安心して過ごせるように工夫をしてみましょう。
一緒に過ごす時間やスキンシップを増やすことも、子どもの安心感につながっていきます。
▶︎ 学校に行けて当たり前だと考える
「学校に行けるのがふつう」、「登校できて当たり前」と考えないことも大事です。
行き渋りながらも学校に行くことができれば、親としては一安心かもしれません。
しかしその場合も、 子どもは行きたくない気持ちを抱きながらがんばっているのだと思い出し、帰宅後は「がんばったね」と声をかけてあげてください。
規律や集団行動が多い学校生活を、負担に感じる子は少なくありません。
行き渋りを起こしていなくても、毎日「がんばったね、がんばってるね」と伝えられるといいですね。
▶︎ お母さんひとりで悩みをひとりで抱える
行き渋りの悩みをお母さんがひとりで抱えながら、子どもに前向きな対応をし続けるのは苦しいときもあります。
行き渋り対応に疲れすぎたり、精神的に辛くなりすぎたりしないために、ひとりだけで悩まないことも大切です。
遠慮せずに、信頼できる人に相談してください。
その際、プライベートで近しい関係の人に相談すると、アドバイスや教訓を受けるなどして、余計に疲れてしまうケースがあります。
客観的に子どもを観察してくれる、第三者的立場の人と悩みを共有できるといいでしょう。
可能なら複数の先生や教育に携わる人に相談し、学校や家庭外での様子を教えてもらうのがおすすめです。
家での行き渋りが強くても、学校に行くと案外ふつうに過ごしている、なんてこともあります。
具体的な情報の収集ができるという意味でも、実際に子どもの様子を近くで見てくれる人たちは、心強い相談相手だと言えます。
ひとりで抱えず、どんどん味方を増やしていきましょう。
まとめ

わたし自身、子どもが小学校1年生のときに学校への行き渋りを経験しました。
「このまま学校に行けなかったらどうしよう」と焦るのと同時に、行ったら行ったで、「無理強いをしたのではないか」「学校で辛い思いをしていないか」と余計に悩みました。
当時は心が大変苦しかった記憶があります。
しかし、そうして過ごすうちに、行き渋りを起こす子は案外多いと知り、また時間と共に解決するケースがほとんどであると学びました。
何人かの先生に相談し、学校での様子やクラスメイトとの関係を詳しく知れたことで、気持ちが落ち着いた部分もあります。
そのような経験から、わたしが一番お伝えしたいのは、お母さんが孤独にならないで欲しいということです。
学校にスクールカウンセラーがいたり、市区町村に相談できる窓口があったりするケースもあります。
パートナーや先生に加えて、それらの制度も活用しながら、相談先や味方を増やせるといいでしょう。
十分に話を聞いた上で専門的なアドバイスをしてもらえるので、お母さんの気持ちも楽になるはずです。
繰り返しになりますが、行き渋りは、子どもにとって家が安全な場所だから起こることです。
子どもがそう感じられる家庭を作れていることに、誇りを持っていただけたらと思います。